高級ミニバンは「高級車」として市民権を得たのか

mercedes car

ここ十数年におけるミニバンの台頭は目覚ましいものがあります。従来、ファミリーカーとして代表的だったのはセダンタイプのクルマでしたが、現在、そのポジションはミニバンに移行しつつあると言えるでしょう。

ミニバンがファミリー層に人気なのは言わずもがなですが、理由としては、電動スライドドアによる乗降のしやすさ、高い車高による車内快適性、広い室内と乗車定員の多さ等が、その代表的なところでしょう。

そんなミニバンにもやはり、序列というものが存在します。大きく分類すれば、いわゆる高級ミニバンと普及型のミニバンとに分かれます。

ファミリーカーがセダン中心だった時代は、その序列はとても分かりやすく、クラウン等のフラッグシップ高級車を筆頭に、マークⅡ(現マークX)等のハイクラス、カムリ等のミディアムクラス、カローラ等の普及車クラスがあり、それぞれボディサイズや車格での違いが明確でした。しかし、現在ではセダンタイプのクルマに加え、ミニバンの存在が大きくなっており、序列という意味では少々わかりづらくなっているのが現状です。

例えば、以前は、クラウンを購入すれば、トヨタのフラッグシップ高級車のオーナーであるというステータスを無条件に手にできていましたが、現在ではそこにアルファード等の高級ミニバンが絡んでくるため、事実上は高級セダンと高級ミニバンのツートップ状態となっており、車種による序列を気にする方は少しフラストレーションも感じているのではないでしょうか。

さらに言えば、いろいろな事情で、セダンタイプの高級車を諦め、高級ミニバンを購入する場合、それを「高級車」として世間は認識してくれるのかが、気になっている方も多いことでしょう。

現実的には、アルファード等の高級ミニバンが高価格であるということは、かなり周知されており、また、芸能人やスポーツ選手、有名経営者等、影響力のあるセレブにもこれらのクルマが好まれていることから、一般的に「高級車」として認識している方がほとんどであると思われます。

しかしながら、どうしても箱型の車両は、「ワゴン」のイメージが強く、業務用の車両に使われていたり、キャンプなどのアウトドアで多く活用されることもあり、セダンほどの落ち着きを醸し出すのは難しいと言えます。

そういう意味では、まだまだ現行の高級ミニバンのデザインは発展途上であり、今後は箱型のボディでありながらも、一見して高級感や品格を印象付けられるモデルの登場が求められるでしょう。

やはり、ミニバンというボディ形状は、特にフロントから威圧感を発してしまうため、このあたりを和らげ、威圧ではなく「格」を表現するデザインとなれば、ミニバンであっても落ち着きや上品さを備えることができ、いよいよ「高級車」として市民権を得られるようになるのではないでしょうか。

今後は、そのようなエクステリアデザインを纏った高級ミニバンの登場を期待したいものです。

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