CX-8は”３列シートSUV”という新たなジャンルを確立するか

現在、３列シートで乗車定員７~８人乗りのモデルは各社が取り揃えています。中には、５人乗りと７~８人乗りのグレードを分けて設定し、顧客のニーズに応えている車種も存在します。

90年代に発売され、現在も売れ続けているエスティマや、コンセプトは違えどそれに続いたステップワゴンなどの人気車が３列シートの需要をけん引し、今や６人以上乗車が可能なクルマは、多くの人にとって購入の選択肢となり得ています。

そんな中、マツダがこのほど、３列シートのSUV、「CX-8」という新車種を登場させました。走りや乗り心地など、インプレッションについては、以下の動画が参考になると思います。

現在、３列シートを備えたSUVは、CX-8の他にトヨタのランドクルーザー、日産のエクストレイルなどがありますが、３列シートの購買層は、その多くがミニバン等に流れているのが現状です。

もちろん、SUVとミニバンでは、コンセプトが違いますから、同列に扱うことはできませんが、単に「多人数が乗れるクルマ」を探している方にとっては、どちらも選択肢となるでしょう。

３列シートの利用頻度が高く、お子様やお年寄りの乗降が多い場合は、やはり低床のミニバンに分がありますが、外観のカッコよさを重視し、オトナ中心の利用を前提とするなら、３列シートSUVはとても魅力的な一台と言えます。

ランドクルーザーやエクストレイルも７~８人乗車が可能ですが、いわゆるオフローダー的な性格が強く、外観にもアウトドアのイメージが強く表現されています。

一方のCX-8は、CX-3およびCX-5にて好評を博しているデザインがしっかりと受け継がれており、ボディサイズの大きさを感じさせないほどの流麗なスタイリングを纏っています。

そういう意味では、現在の日本車の中で、CX-8に準ずるクルマは存在しないものと思われ、他に選択肢がない今、発売開始直後から好調な売れ行きを見せているのにも合点がいきます。

今後は、このCX-8の好調ぶりを受けて、各社対抗馬を導入してくることも予想されますが、そうなると、スタイリッシュな外観で多人数乗車が可能な新しいSUVのジャンルが確立され、同車を凌ぐさらに優れた新車種の登場にも期待がもてます。

走りや乗り心地を重視すれば、通常はSUVのような車高の高さは不利になるはずですが、各メーカーの努力によって、その点は大きく解消されており、それよりも乗車中のビューポイントの高さや、自慢したくなるような外観の美しさが購買意欲を高めているのでしょう。

CX-8という新しいモデルの登場で、SUV市場はさらに活況を呈することでしょう。