メルセデス・ベンツのSUVラインナップに見る、強さと賢さ

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ご存知の通り、ここ数年でメルセデスのSUVラインナップについては、目を見張るほどの充実ぶりとなっています。

もちろん、近年のSUV需要の高まりを受けて、単純にユーザーの要望に応えるかたちで、車種を増やしたという側面もあるでしょう。

しかしながら、単純に車種を増やすと言っても、それら全ての車種についてサポートをしつつ、マイナーチェンジ等の改良を加えていくには、その分コストも増えますから、車種というのはポンポンと好きなだけ増やせるものではありません。

それでも、ユーザーの年齢、性別、趣味趣向や所得水準などを細かく考慮しつつ、クーペモデルも含め、7車種ものSUVをラインナップしているメルセデスには、高い戦略性を感じざるを得ません。

例えば、ハッチバックスタイルのGLAですが、こちらは、コンパクトSUVと称し、”メルセデスの切り札”と謳い、プロ―モーションをかけています。

コンパクトとは言いつつも車幅は1,805mmとなっており、Aクラスのようなこじんまり感はなく、一定の重厚感と存在感を醸し出しています。

価格もこなれており、398万円のモデルもラインナップされているため、国産車を含めても、購入の選択肢になり得る、とても魅力的な一台と言えます。

また、中核モデルには、GLCとGLEという2車種を選択できるようにしつつ、それぞれにクーペモデルも登場させ、ユーザーの多種多様なニーズに対して、抜かりなく応えてくれます。

さらに、ラグジュアリーSUVとしてのメルセデスフラッグシップとなるGLSは、価格こそ一千万円を上回りますが、”S”を冠するに恥じない、最高峰の走行性能、安全性、快適性を備えた羨望のクルマに仕上がっています。

なお、これらSUVの祖とも言えるのがGクラスです。価格はGLSとほぼ同等であり、こちらもメルセデスSUVのフラッグシップと言えるのですが、そのスタイリングやコンセプトが一連のSUVラインナップとは一線を画すため、こちらは”別格”という扱いが相応しいでしょう。

そして、これらに加えAMGも選択できるわけですから、メルセデスのSUVラインナップには隙が無く、力の入れ具合が半端ではないことがお分かりいただけると思います。

今後は、需要の伸びが見込めるコンパクトセグメントやミニバンについても、ラインナップを充実させていけば、車両価格の高騰が著しい国産車市場を少しずつ脅かす存在になってくることも十分想定されます。

これまで、クルマ作りにおいては、各社のお手本的存在であったメルセデスが、販売戦略・マーケティングでも力をつけることになれば、日本車メーカーも現状について見直しを迫られるかもしれません。

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