メルセデスGクラスがモデルチェンジするも、基本デザインは不変

Mercedes

メルセデス・ベンツのGクラス(通称「ゲレンデ」)が、この度フルモデルチェンジを受けました。発売以来38年目にして初のフルモデルチェンジとなります。

以下の動画をご覧いただいてお分かりかと思いますが、エクステリアデザインについては、基本的に従来モデルを大きく踏襲しています。もちろん、フルモデルチェンジですから、メカニズムについては一新されており、最新の安全運転支援装置も備えています。

いわゆる「セールス」を重視するならば、現行モデルとの違いを明確にしたエクステリアデザインとし、現ユーザーの買い替え需要を喚起するのが常套であるところ、それをせず、目に見えにくい部分を大幅に刷新し、新モデルとして発表するあたり、メルセデスの自信と信念が垣間見えます。

当然ながら、セールスを意識するのであれば、38年もの間フルモデルチェンジを実施しないはずはないですし、内外装についても武骨さを和らげるようなオプション装備の充実も図れるはずです。

このモデルチェンジでメルセデスは、巷に溢れる「なんちゃってSUV」ユーザーではなく、本気でオフロード走行ができるクルマを求める人々を、これからもターゲットにし続けるというメッセージを発しているようにも思います。

38年もの間、改良のみで維持してきたGクラス。それは既に発売時の基本設計が完成の域に達していたことの証明でもあります。「変える必要のない部分は変えない」という姿勢は、あたかも伝統工芸のようであり、Sクラスと並んでメルセデスの軸となるモデルであり続けることでしょう。

さて、この新型Gクラスですが、本年6月から本国での販売が予定されており、価格は10万7040ユーロからとのことです。日本での販売について現時点では公式発表は無いようですが、現行モデル同様に右ハンドル仕様車がラインナップに加わってくるのでしょう。

高価な車両本体価格に、この独特のスタイリングとなれば、憧れは抱いても、おいそれと簡単に誰でもが購入できるクルマではないのが実情です。やはり、生活を共にする実用車というよりは、趣味車の性格が強いですから、ファーストカーとしてこれ一台を所有するのは相当な勇気が必要です。

だとすれば、やはり購入の主なターゲットは、すでに魅力的なファーストカーを所有しており、二台目、三台目として毛色の違った面白いクルマを求めている層なのでしょうか。

しかし、実際にGクラスを所有しない方であっても、この件が全く無関係とは言えません。それは、Gクラスという孤高のオフローダーを開発するメルセデスの技術の恩恵は同社の他車種にも波及するでしょうし、やがては他メーカーの開発姿勢にも影響を及ぼす可能性があるからです。

新型Gクラスを日本で目にするのが今から楽しみです。

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